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カトクミメモ katokumi.exblog.jp

ケンチク&音楽修行中!


by kumi-is-happy

最低な日と最高の日

学校の創立記念日とパパの休日が重なりました。平日休みのパパとユイの休みが重なることはめったにありません。ユイは「大きなアスレチックへ行く!」と言って、1ヶ月以上前から楽しみにしていました。前日は夜遅くまでかかってヴァイオリンと宿題に取り組み、当日のお天気は快晴!私は朝5時に起きて準備しました。

次の日がレッスンなので、2時間だけ練習しよう!と決めていたので、8時から練習を始めました。カール・フレッシュとクロイツェルを1回ずつ通し、昨日残ってしまったバッハ1番3楽章の譜読みが半ページで2時間の予定。「ささっと通して、アスレチックだ!」とハッパをかけてどんどん進みましたが、バッハの譜読みでパタッと停止。ユイの「違う!」「イヤだ!」「できない!」が始まりました(>_<) 「違う!」と言うので「じゃあこうしたら?」と言うと「イヤだ」。「イヤだ!」と言うので「先生もこう言ってたよ」と言うと「言ってない」。「できない!」と言うので「こう練習するといいよ」と言うと「違う!」・・・以上を繰り返す無限ループに突入。とりあえず私が何を言ってもNOと言います。

2時間がすぎ、3時間、4時間・・・。隣で応援していたパパも「もういいんじゃない?」と言い、私は「何のために一生懸命準備したんだよ!!」とブチ切れ、ユイは泣き、でも絶対に妥協せず。・・・結局、8時間かかりました。すっかり夕方になり、パパと近所の公園へ遊びに行ったユイ。残った私はプシュッとビール。怒鳴りすぎて声が枯れました(T_T) 私はパパが家にいると、余計にキレてしまいます。知らず知らずのうちに「こんなに大変なんだよ!」とアピールしているのかも。

翌日は学校が6時間、帰宅するなり10分でパンを食べさせ、音出しをしてダッシュで駅へ。へとへとなユイに「1.“今からどれを弾くのか”、2.“何に注意するのか”、3.“テンポ” の3つをを絶対に確認してから弾くこと!」と言い聞かせながら先生宅へ向かいます。この1〜3、他の子は問題なくできているのかな。こんな当たり前のことをユイはできなくて、突然全然違うところを弾いたりするので要注意なのです・・・。

ユイがカール・フレッシュA-mollの1番〜8番を弾く間、腕組をして一言も発さずじーっと聴かれていたTK先生(そんな雰囲気、私には無理!・・・ですが、ユイはぜーんぜん平気)。突然「ユイちゃん、今までどんな曲を弾いてきたの?」とおっしゃいました。今まで特に聞かれなかったので、お伝えしていなかったのです。モーツァルト3番、プレリュードとアレグロ、バッハ無伴奏パルティータ3番、ロンカプ・・・。曲名を言うたびに「これね!」と弾いてくださるTK先生。なかでも、バッハ無伴奏をたくさん勉強してきたことに関心を持ってくださいました。(以前、「そろそろ無伴奏もみていただけますか?」と聞いたら、「3度も弾けてないのに無伴奏なんかやったら、手がおかしなるわ!」と秒殺だったのですが。汗)

「それだけ弾けるんやったら、コンクールはバーンとカッコいい曲でいきたいなあ!」と提案された曲を早速弾いてくださいました。ユイの苦手なスピッカートや(名前のわからない)技が満載。・・・1粒も弾ける気がしませんが!!!「そういうカッコいいのって・・・ちょっと・・・苦手なんですよねー」と言う私に、「ユイちゃんは丁寧に車を作って、ショールームに飾ってある状態。どんどん高速道路を走らせないと!」とのこと。「2年連続、難しい曲を弾いて玉砕するパターンですね・・・」とまだ半信半疑な私。でも、先生がそんな曲を提案してくださったことは、本気で嬉しいです!!!

昨日8時間かけたバッハ1番3楽章。最近のユイの不思議なところは、譜読みにむちゃくちゃ時間がかかるぶん、1度決めればある程度の完成度で弾くことができます。先生はユイが決めたフィンガリングとボーイングを、数カ所だけ直されました。フィンガリングについては私は完全にお手上げ。ユイ自身でスイスイ決めますが、先生が変更した指使いでも即、弾けるのには感心します。かたやボーイングは私のほうがまだ得意かな。運動神経の鈍いユイには、ちょっとした動きも頭で理解するまでできません。そんなユイに、先生は弓の動きを書道の筆使いに例えて教えてくださることが多いです。「これは“はらい”やな。筆をシュッと動かして!」と言いながら動きを再現してくださるので、とてもわかりやすいです。

レッスン後、興奮した顔で「楽しかった!アスレチックに行けなかったけど、練習して良かった!」と言ったユイ。いろいろと癖の多い子ですが、そんなことは意に介さないTK先生。ユイの変な質問にも普通に答えたり、スルーしたり、全くの自然体で接してくださいます。そんな先生とユイの様子を見ていると、とても幸せな気持ちになりました。そしてその夜は、たくさん聴いた先生の凄すぎる演奏が耳に残って、ほとんど眠れませんでした・・・。
by kumi-is-happy | 2016-05-21 08:58 | ヴァイオリン