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カトクミメモ katokumi.exblog.jp

ケンチク&音楽修行中!


by kumi-is-happy

ブログを引越しました

ブログがストップしてはや5ヶ月。ようやく再開しますが、いっそのこと気分も新たにリニューアルすることにしました。新しいブログはこちら!

今まで読んでいてくださった方、これから出会う方、よろしくお願いします。




# by kumi-is-happy | 2017-10-17 12:44 | ヴァイオリン

これからは自己責任で

始めに。
前回の記事を読み、心配して連絡をくださった方々、本当にありがとうございました!!皆さんからも、ヴァイオリンや中学受験、反抗期の大変だったエピソードを聞かせていただいて、とても励みになりました。私から見ると優秀なお子さんたち+優しいママであっても、みんなそれぞれの苦労を乗り越えながら、少しずつ成長しているのだなあ・・・と、改めて子育ての難しさを思いました。(「難しさ+素晴らしさ」と書きたいところですが、ちょっとまだ無理148.png

壊れたヴァイオリンは翌日、お世話になっている工房へ持って行きました。私がどんなに怒り狂っても叩いても泣かないのに、壊れたヴァイオリンを見た途端に号泣したユイも、学校を休んで同行。工房のTさんにみていただいた結果、ぐいっと外れてしまった駒は曲がっていましたが、本体は無事でした・・・。朝にはまだプンプンしていた私も、修理の後にユイとランチ+ケーキを食べて、やっと落ち着きを取り戻しました。

ヴァイオリンバトルが日常茶飯事なカトクミ家ですが、今回ばかりは本当にヴァイオリンが(というより、ユイが)嫌になりました。争いに巻き込まれたパパも大変な目に遭いました。本人もひとこと「ママを憎んでる」。なのに「マジでやめようよ!」と言っても「絶対にやめない!」・・・なのになのに、元気になったヴァイオリンを持って練習を始めた途端に、ま〜た〜も〜や〜怒りスイッチが入るユイ。まだ何も始めてないんですけど!!!135.png ヴァイオリンって怒らないと弾けないの!?

結果、私は練習に付き合うことから離脱することにしました。そして、一体ユイが練習を一人でやると、どうなるのかを実験117.png まず、ものっすごくゆ〜っくり、ケースを開けて松脂を塗り、肩当てをつける(約15分)、心ゆくまで音を合わせる(30分以上)、コップに水を入れ、飲み、トイレへ行き、髪を結び直し・・・あ”〜!!イライラする133.png

そして曲。まずピアノの椅子を机にして、IKEAの丸椅子に座り、指番号を記入。子供用の音楽辞典で楽語を調べ、蛍光ペンや赤ペンで謎の自分記号を記入。やっと弾き始めるか・・・と思いきや、今度はピアノに向って謎の和音を弾く。以上、終わり!ヴァイオリン、弾いてないし!!!!

譜読み中のハチャトリアン:ヴァイオリン協奏曲は♯と♭だらけのアルメニア調?で、楽譜通りに弾けているのか、音程が合っているのか、私だったらいちいちピアノで音を取りつつ、自分の左手を確認しながら何度も何度もさらわないと弾けないですが、絶対音感+頭の中でヴァイオリンが鳴らせるユイは、一度楽譜が頭に入るともうOK。難しいカデンツァ部分もまずは自分で指番号を書き込み、レッスンでは先生と2人で楽譜を覗き込みながら「これは◯○ポジションちゃう?」「◯○弦にしたら?」とか言ってるだけで、どんどん訂正していきます。私だったら「えーと、ちょっと待ってくださいよ・・・」と、いちいち楽器を手に取って確認しないとわかんないのですけど。

TK先生のレッスンも、確実にレベルが上がりました。今まで、「どんなに短い音でも、その音を弾いてる間(0.1秒ぐらい?)に音程を直せ!」と言われてやっていたユイですが、「次に弾く音を頭の中に鳴らしておいて、それを正確に取れ!」という指令に変わりました。「それって、ポジションチェンジする時に、1の指を取っておくってことじゃないの?」と聞いてみましたが、2人(先生+ユイ)の答えは「No!!」。後でユイに確認してみましたが、「1の指を取るのとは、全然やり方が違うんだよ。めっちゃ頭を早く回転させないとできないよ。」とのこと。うーん、いったい何が違うのだろう・・・。

TK先生が多忙で1ヶ月ちょっとレッスンがなかったのも、ユイの大荒れの原因だったと思います。私はもちろん、他の先生方もユイとは音楽の捉え方が違うので、TK先生の前では、ユイの音がみるみるうちに生き生きとしてきます。TK先生+ユイ=最強の組合わせ。今シーズンもこの2人に振り回されて過ごすのだなあーと、嬉しさと開き直りが入り混じったような気持ちですが、2人が作る音楽はいったいどんなものになるのだろう!?という興味心が一番大きいです。

# by kumi-is-happy | 2017-05-06 07:11 | ヴァイオリン

壊れたヴァイオリン

今まで、どんなことがあってもヴァイオリンだけはやめなかったユイと私。
この春休みにも、ヴァイオリンのおかげで楽しいことがたくさんありましたが、アスペ&反抗期のユイは、ヴァイオリンを手にすると毎日のように発狂。
ユイの宿題どころか家族の生活もままならなくなってきました。
そして、とうとうヴァイオリンが壊れてしまいました。
ユイも私も大好きで、TK先生もM先生も「いい楽器ですね」って言ってくれた楽器。
最近のユイは、本当に楽器をよく鳴らしていました。
とうとう壊れた楽器を見て、意外にもホッとした私。
もうこのへんで、ヴァイオリンはやめてもいいんじゃないかな。
もう毎日毎日100回も「早くして!」って言わなくていいし、晩ご飯が10時になったり寝るのが12時過ぎたりしなくていいし、ユイに怒鳴ったり蹴ったりしなくていいし。
こんな、ちょっとしたきっかけでやめてしまうんだろうな・・・。
明日、工房さんに予約はしたけれど、ワタシ、行くかな・・・??




# by kumi-is-happy | 2017-04-19 02:50 | ヴァイオリン

止められない流れ

前回の更新から1ヶ月以上が経ってしまいました。京都の続きはひとまず置いて、最近の心境を書いてみたいと思います。

まずはユイのAS状況について。4年生の2学期頃から劇的に成長し、ずいぶんと変な症状がなくなりました。換気扇の音や流水音が怖くて 1人では入れなかったトイレにも入れるようになり(今でも怖々ですが・・・)、私が付きっきりでなくても行動できるようになりました。学校では少しずつお友達と関わるようになり、2時間以上かかっていた宿題も、ささっと30分ぐらいで終わるようになりました。ユイの通う小学校(近所の公立です)は、離島で先生をされていた校長先生のもと、のんびりとした雰囲気で、ちょっと普通と違う子も大切にされています。レッスンで遅刻や早退をした時、クラスの子に「ずるい〜!」と言われるのが嫌だったユイですが、担任の先生がみんなに「ユイちゃんには学校より大事な夢があって、そのために頑張っているんだよ!」と言ってくださったことには驚きました。

音楽の先生も面白い先生で、ユイの学校の生徒はみんな音楽が大好き。合奏の曲が変わるたびに希望楽器のオーディションがあるのですが、みんなオーディションに合格したくて休み時間に練習をしています。いつも楽器が出しっぱなしで、いつでも自由に来て弾いていい音楽室!ユイは新曲で希望のコントラバスをゲットして、張り切っています。

ヴァイオリンはというと、TK先生に厳しく「親指!」「右手!」「音程!」「姿勢!」と怒鳴られ続けた1年間を経て、第2ステージに入ったような気がします。楽譜通りに弾きつつも、音楽に自分の色を付けていく。そのための「隠し味」を教わるようになりました。それはボーイングであったり、呼吸であったり、ちょっとした間であったり、左指の動かし方であったり・・・。ユイがやると、モロに音に出て「隠し味」じゃなくなってしまうのですが、「手を変え品を変え、客を魅了すること!」と言うTK先生がフォーレを弾くと、甘くせつなく多彩な音に魅了され、ヴュータンを弾くと、もの凄く緊迫感のある音にぶっ叩かれて倒れそう。絶対にTK先生のヴァイオリンから「かめはめ波」(@ドラゴンボール)出てるんですけど!!!最近はユイの音からもプチ「かめはめ波」が出始めています(>_<)

そんなTK先生を師匠と仰いで厳しいレッスンに食らいつきながら、いつも独自の視点で広い世界をみつめておられるM先生と、超一流の音楽を惜しみなく注いでくださるP先生、2人の偉大な先生にもみていただくようになったユイ。どの先生のキャラクターも音楽も心から好きで、乾いたスポンジのように先生方の教えを吸収しています。

この春、以前ご縁のあった国際コンクールに出るつもりでいました。でも、ユイの受けている指導は、どの先生の指導も一切妥協のない本場(主にフランス)のもので、本当に難しいことばかり。ユイの今までを振り返ってみると、肩当てなし→ちょっと変わった肩当てへ、3年生からチューニングはペグで(アジャスターはE線だけ)、バッハの手書き譜を読む、2年生からボーイングもフィンガリングも自分でつけている、そして先生の指導は誰もやらないような難しいボーイング・・・と、伴走する親としては頭を抱えたくなることばかり。「普通のことをやらせてくれーい!!」と叫びたくなることも多々ありましたが、当の本人が一番変わってるので、普通の先生のところにはいられなかったわけであり。そんな先生方が口を揃えて「コンクールには出なくていいよ」とおっしゃる訳が、少しわかるようになりました。

練習は、ほぼ1人でやるようになりました。私やパパが口を挟むと、狂ったように激怒!私のことは完全に見下していて、先生の言ったことしか聞かなくなりました(なので、証拠のレッスンメモや録音は必需品です)。私の役割は、音階とエチュードを「完全に仕上げてから」1度だけ聴いてチェックすることと、曲が仕上がったら聴くこと。ユイの最大の弱点は姿勢で、本当におかしな格好で弾くのでそこは厳しく直すのですが、ヴァイオリンに集中するとAS現象がひどくなり、通じない言葉が多すぎて、1時間以上言い争い→殴り合い→皿割り→母家出と発展します。なんでこんなに命がけでヴァイオリンをしないといけないのか!と、毎日毎日思ってウツになりそうですが、恐ろしいほど集中して曲を弾くユイの姿を見ていると、なるべくしてなるものになっていっている・・・その流れを私には止められない・・・と、思うばかりです。

これからどうなることやら。(ため息✕100)
# by kumi-is-happy | 2017-03-02 14:54 | ヴァイオリン

森先生の初レッスン

新年早々の1月7日、またまた京都へ。今回で5回目になるプロペラプロジェクトへの参加にプラスして、初めて森悠子先生の個人レッスンを受けられることになりました!

ユイが5歳の時に見た映画「自尊を弦の響きにのせて〜96歳のチェリスト 青木十良〜」で初めて森先生を知り、先生が音楽監督をされている長岡京室内アンサンブルを聴き、ご著書を読み、ユイ2年生(8歳)の時に「森悠子のプロペラプロジェクト〜子ども音楽道場〜」へ参加して、初対面。それからずっと私の尊敬する音楽家・芸術家・教育者である森先生。先生の教える音楽への驚きと感動は、初めて経験した時も今も、変わることがありません。
http://katokumi.exblog.jp/17492742/

「巨匠のレッスンはどんどん受けて来い!」と言ってくださるTK先生のお達し通り、今やってるカール・フレッシュd-moll、クロイツェル9、13、23番、ヴュータン4番全楽章を必死にさらい、先生用の楽譜を製本。さすがにヴュータン全楽章ともなると、ずっしりきます(^_^;)

京都へ向かう新幹線にいる時からメールや電話で道中を心配してくださり、玄関の外で待っていてくださった森先生。壁一面の楽譜とグランドピアノ、譜面台と大きな鏡、世界じゅうから送られたポストカードや写真が貼られたレッスン室に通してくださいました。いつもたくさんのお弟子さんや子どもたちに囲まれている先生なので、一対一(ユイもいるので一対ニか)でじっくり向き合っていただくのは初めてです。「ユイちゃんはいつもニコニコしながらヴァイオリンを弾いているよね、ヴァイオリンがとっても好きなのね。」と言ってくださり、いつも自分の耳でAを取るユイに、なぜチューナー442で合わせるのかということや、海外と日本の音程の違いなどを教えてくださいました。(それ以降、いつもチューナーで合わせるユイ。今まで私が何度言っても合わせなかったのに・・・)

「じゃあ、弾いてみて」と言われてカール・フレッシュd-mollの1番(G線)を弾いたユイ。先生は「とっても上手く弾けてるね」と言いながら、「身体がねじれてる。肘が中に入りすぎ。弓を持ちすぎ。etc・・・」と、私がずーっと気になっていることを一瞬で言い当てられました。鏡の前にユイを立たせ、「片足を上げて弾いてごらん」と言われましたが、ユイ、全く足が上がらず。「自分の足がどこにあるかをわかってないのよね。」と森先生。足を上げるとヴァオリンが構えられず、ヴァイオリンを構えると足が上がらず・・・。うーん、私のほうができると思う!!

それから2時間超・・・。「身体を揺らしながら」「いろんな方向を向きながら」「丹田に力を入れて、声を出しながら」ひたすらd-moll。それがことごとくできないユイ。しまいにはパニックを起こして過呼吸に。いったん床に座りましたが、今度はあぐらをかいてまたd-moll・・・。レッスンが始まる時に「ここ、いいですか?」と椅子に座った私でしたが、ユイと一緒に動いたり、ユイの身体を支えたり、先生の身体を触らせてもらったり、座ってるヒマなんて全くありませんでした。

「頑張らない」「身体に力を入れない」「自由に動く」という森先生の指導に慣れないままに、どんどん時間が経ってしまい、d-mollの1番だけで終わってしまいそうになりましたが、「せめて1曲だけでも!!」とお願いしてクロイツェルの23番を聴いていただきました。「どうやって弾いていいか、わからない。」と言うユイに「今やったことは忘れていいよ。」とおっしゃってくださった森先生でしたが、演奏が始まるなりユイの身体を持って、どんどん揺らして動かします。小さな先生が45キロのユイを抱えられ、最後には「ユイ、飛んでる!!飛びながら弾いてる!」と私が叫んだほど。ついにユイの固まった身体と心が溶けて、「楽しい〜!!」と笑顔に。先生も「ずいぶん良くなったね。」と言ってくださいました。

「あなたはのーんびりしていたい人ね。」と、ユイの性格まで即、見抜かれた森先生。♪ペンパイナッポーアッポーペンの例を引いて「これからはバロック音楽と現代のクラシックを融合させた音楽が求められる。あなたはヨーロッパでバロックを勉強して、それを担う人になりなさい。」とおっしゃってくださいました。そしてフランスの古い本に乗っていた、暖炉の傍で片足を椅子に載せ、ゆるーく楽器を弾く人の絵をユイに見せられ、「これが理想の演奏姿」とおっしゃいました。

結局3時間近くも先生の家にお邪魔していました。TK先生をはじめ、世界中で凄い音楽家を何人も世に送り出されてきた先生なのに、真剣にユイに向き合われ、愛情を込めて教えてくださいました。翌日から2日間のプロペラプロジェクトも合わせて3日間、しっかりと偉大な音楽を学ぶぞ!と気合が入ります。

レッスン後、京都駅で。
森先生の初レッスン_f0012413_21413929.jpg

# by kumi-is-happy | 2017-01-20 21:46 | ヴァイオリン